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キルミーベイベーの魅力~番外編・曲の魅力~

 この記事ではキルミーベイベーのOP・EDの魅力について語っていく。

「僕とキルミーの出会い」にも書いたように、僕にキルミーベイベーを教えてくれた男はHIPHOPが好きだった。キルミーベイベーのOP「キルミーのベイベー」を初めて聞いた時、僕は「あの男でもこういう電波アニメソング的なものも聞くのか」と思ったことを覚えている。
 しかし今考えるに、それは間違いだった。「キルミーのベイベー」は単に電波な曲ではなく、非常に考えられたHIPHOPソングだったのだ。

「キルミーのベイベー」を聞いた時、一番最初に思うのは「どしたのわさわさ」「なんでもなーみん」ってなんだよ、という事だと思う。けれど僕は彼からHIPHOPを聞かされていたりしたので、わさわさ=what'up?what'up?(どうしたどうした?)、ふぉりし=holy shit(やべえ!)であるということにはすぐに気づいた。調べてみるとなーみんもnah mean(you know what I meanの略。俺の言ってること、わかるだろ?)であることがわかった。この時点でかなりHIPHOPである。

 また、一番の「ホーミーに動じない!? 腹いせで吐息だー!」と二番の「広義なベストフレンド!? 流し目でどつくなー!!」という歌詞は、「腹いせでどつくなー!!」「流し目で吐息だー!」とすると意味が通じる。こうした、歌詞の配列をごちゃ混ぜにすることをカットアップといい、これもHIPHOPなどでよく使われる技法である。

 ここまでは確定的な事実として、制作側が考えてやっていることだといえるだろう。OPの作曲編曲はEXPO(山口優+松前公高)、作詞は藤本功一とくればこの程度の仕込みは当然ともいえる。

 ここからは個人的な妄想であるが、「ほーみーに動じない!?」という歌詞に着目したい。ほーみーはHIPHOP
的な文脈から考えればhomie(友達)という意味だと思われるが、hold me(抱きしめて)とのダブルミーニングになっているとも考えられる。そうすると「ほーみーに動じない!?」の意味がわかりやすくなるからである。
 さて、homieは「友達」という意味であるが、語源はhomesやhomeboyにあると言われる。単に友達というより、地元の奴ら、といったニュアンスを含む。しかし、果たしてソーニャは「地元の友達」だろうか?

 キルミーベイベーのアニメでは、やすなが「ソーニャちゃん、○○しようよ!」と話しかけ、それに対しソーニャが「○○?聞いたことがあるな」……というきっかけからなにかが始まることが多い。ロシアからやってきた殺し屋であるソーニャは、餅つきも凧揚げもやったことがない。一種のストレンジャーなのである。そのソーニャにやすなは「ねえねえ~」とあたかも昔からの友達であるかのように馴れ馴れしく接する。これは一種の下町交流なのではないだろうか。その結果、ソーニャはなーみん(私の言ってること、わかるだろ?)と言うほどにここに馴染んでいくのである。


 また、EDも秀逸である。OPがロシア民謡的な曲調でありながら、やすなっぽいお馬鹿な歌詞なのに対し、エンディングでは小鼓を使い日本的な雰囲気を出しながら、ソーニャの気持ちを歌っている。これは「好きよあなたが、殺したいほど」という歌詞からはっきりわかるだろう。
 原作やアニメ本編では「秘密」にされている「ホントの気持ち」が「好き」である、ということ(ソーニャがやすなのことが好きだと明言してしまうこと)には賛否両論あると思われる。前の記事でも述べたようにキルミーベイベーからは日常を乱すものは全て除外されており、もちろん恋愛もそれに含まれる。読者が自分の中で「ソーニャはホントはやすなのことが好きなんだろう」という「物語」を作ることは自由だが、公式からのアンサーとしてこれを出したことには反感を抱く者もいると思う。

「いつまでふたりでいるのかな」「どこまでふたりでいるのかな」「たのしいじかんがいいのかな」「おとなになるまでいいのかな」という歌詞は、キルミーベイベーにおける日常がいつまで、どこまで続くかわからないものだということをはっきりと指摘している。ひと月を1話にまとめ、12話で1年を描いたことにしてもそうで、永遠に続くキルミーベイベーの世界の終りを暗示しているのがアニメの特徴なのである。
 やすなとソーニャにしても永遠に女子高生でいるわけにはいかないわけで、その際には(どのような形であれ)二人の関係に変化が訪れるだろう。そのときに、ソーニャからやすなへの「好き」という感情がないとしたら悲しすぎるではないか。

 結論としては、「キルミーのベイベー」は日常の楽しさ、素晴らしさを、HIPHOPの底流にある”地元のダチ”という考え方から肯定しており、「ふたりのきもちのほんとのひみつ」はその日常が実は壊れやすいものである、という一種のタブーを作品本編ではなくEDの歌詞という微妙な立場から仄めかしているのだ、といえるだろう。


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No title

あたらしい視点に感動しました!このブログの記事おもしろいですね〜。わたしも、力のか
ぎりキルミーベイベーを応援していく所存です!キルミーベイベーは本当に可愛くて笑いあ
り、涙ありの超名作だと思っています。それにしても、ヒップホップとの関係性には気付か
されましたね〜。これ以外にも色々な記事がブログに載っていくと思うと楽しみでなりませ
ん!

クレジットが...

OPの作曲編曲はEXPO(山口優+松前公高)、作詞は藤本功一さんですよ。

指摘ありがとうございます

修正しました
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小説・漫画の感想ブログです。
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